今回は「クリスタルスカルの魔宮」紹介(ほぼ考察)のライド編です!BGSが複雑なアトラクションは他にも沢山ありますが、「インディ・ジョーンズ」は特に公式からの情報が少なく、調べ辛い部類に入るかなと思います。
全体的に根拠というか、出典の無い不明瞭な内容には成りますが、様々なブログ、コンセプトアート、アメリカ版からの情報を元に、物語を繋いで行きたいと思います。是非最後までお付き合い下さい!
クリスタルスカルの魔宮

舞台は1930年代、中央アメリカに現れた、水晶骸骨を祀る古代のピラミッド神殿。考古学者のインディ・ジョーンズ博士と助手のパコ、そしてアドリュー大学の研究チームと共に遺跡の発掘作業を行い、遂に口にすれば永遠の若さが手に入る「若さの泉」を発見した。
博士は遺跡の解明が十分でない事から、外部の人間の立ち入りを禁止していた。しかし、助手のパコが金儲けを企み、勝手に「若さの泉・探検ツアー」なる物を計画してしまう。そして観光客が正しい手順を踏まずに神殿に侵入した事に激怒したクリスタルスカルは、行く先々で姿を変えて襲いかかってくる。
清めの間

乗り場から右折したところにあるこの空間は「清めの間」と呼ばれ、文字通り主神殿に入る前に、水で身を清める為の場所です。クリスタルスカルの怒りを買った主な原因は、身を清めなかった事と、オフロード車で爆音を鳴らしながら侵入した事です。本来ならば、ここで洗礼を受けて新たな存在になる事から、次の広間に繋がるこの扉は「変化の扉」と呼ばれています。
誘惑の広間

誘惑の広間の名前の通り、ここでは罠などの物理的な試練では無く、通路奥に鎮座するクリスタルスカルが、私達の内面を試しているように感じます。
水瓶を持つ女神の像は、月と豊穣の女神「イシュチェル(Ix Chel)」です。水に関連する自然災害など、破壊的な側面で水を象徴すると信じられており、セノーテに住んでいたと言われています。

手前の立像は、Qラインでも特に言及されていませんが、植物の入った容器を持っているように見える特徴から、植物の神である「ユム・カアシュ(Yum Kaax)」では無いかと考えられます。背後にある壁面のレリーフは、Qラインの黒板に書き写されていますので、「Qライン編」の記事で考察したいと思います。
若さの泉

残念ながら私達は辿り着くことが出来ませんでしたが、クリスタルスカルの祭壇を左に曲がって直進すると、「若さの泉」がある部屋へ行くことが出来ます。
若さの泉を描いた壁画の割れ目からは植物が生えていますが、この植物はストーリーペーパー*のイラストにも態々描かれています。これには何かしらの制作側の意図や、物語のヒント的な物を感じます。
※ストーリーペーパーとは、施設の設定や物語をまとめた封筒サイズの紙で、アトラクションを利用出来ない方などを中心に配られていた物です。
運命の門

掟を破り、怒りを買った我々は「若さの泉」の直前で謎の力によって車ごと浮上させられ、「苦痛のトンネル(Tunnel of Torment)」と呼ばれる空間を通り、「運命の門」へと引き寄せられていきます。
インディ博士が抑える門からは、何かの意思や魂の存在を感じさせる、ゆらゆらとした緑色の光と霧が漏れています。門には、祖先の霊や神々を口から呼び出す事が出来る、「ヴィジョン・サーペント」が描かれており、口からはクリスタルスカルが顔を覗かせています。
ミイラの間

スカルの放つ光線から逃げる為、左に急旋回した私達は、骸骨が蔓延る空間に迷い込みます。周囲を見ると、神殿の様な人工的な空間ではなく、洞窟の様な場所にも見えます。また、骸骨が豪華な身なりをしていることから、ここは神殿と繋がってしまった地下墓地であるという意見もあるようです。
地面にはタイヤ痕が続いており、この空間が実際には広大で、前を進んでいた観光客は助からなかった事を暗示しています。アトラクションの最後、降り場が左右に別れる事で、前の車に乗っていたゲストに会わない事が、奇しくも良い演出に成っていると言えるかも知れません。

タイヤ痕の右では、シャーマンの様な格好をした骸骨が不敵な笑みでこちらを見ています。筆者の意見ですが、恐らく彼はマヤ神話における死の神、「ア・プチ(Ah Puch)」では無いかと考えています。見た目や道具などの特徴の一致と、ここまでの道中で、マヤの主要な神を登場させているという、メタ的視点から見ても可能性はあるかなと思います。
神殿の内部

良いのか悪いのか、神殿内部である「虫の間」へと帰還し、誰が掛けたのかも分らない吊り橋を渡ります。その際、右手には「魂の泉(Well of Souls)」と呼ばれる竜巻の様な煙を目にします。名前の通りこの煙は何者かの魂なのでしょうが、生贄の神聖な魂と言うよりは、若さの泉に誘われた観光客や、墓荒らしなどの汚い魂の様に感じます(あくまで筆者の考えです)。

吊り橋を渡り切ると大蛇の棲む「蛇の神殿(Snake Temple)」へと入ります。開業当時は左の画像の様に、羽毛の生えた所謂「ククルカン」の姿をしていましたが、ある時期を境に普通の蛇の様な見た目に変更されました。
設定では、「蛇の神“ククルカン”が襲い掛かってくる」とされていますが、ククルカンが直々になのか、ククルカンの使いの大蛇なのか、クリスタルスカルが変身した姿なのか、解釈が別れるところです。
評議会の間

情報元ブログ:dbstory.jpによると、上海ディズニーにある新聞のプロップスに「クリスタルスカルの魔宮」に関する物があるようです。その新聞には、神殿の中心部に「評議会の間」を発見し、そこには「クリスタルの評議会(Council of Crystal)」が存在していたと書かれています。
画像と共に場所が明言されている訳ではありませんが、ドクロの内部以外に、思い当たる場所はありません。追加された一部設定の矛盾点はさておき、「評議会の間」などの名称は流石に後付けではなく、パーク制作時から存在していたと考えています。上の画像は、アメリカ(DLR)版のコンセプトアートではありますが、骸骨に囲まれた空間の中央には議長的な存在が描かれており、いかにも評議会といった感じです。
このあとの降り場までの道中は、「生贄の祭壇」の壁画にも描かれていますので、BGS考察のQライン編で取り上げようかなと思います。
部屋のデータ
No. | 部屋の名前 | 英名 |
0 | 予感の間 | Hall of Anticipation |
1 | 清めの間 | Chamber of Purity |
2 | 誘惑の広間 | Hall of Temptation |
– | 若さの泉 | Fountain of Youth |
3 | 苦痛のトンネル | Tunnel of Torment |
4 | 運命の門 | Gate of Doom |
5 | 魂の泉 | Well of Souls |
6 | ミイラの間 | Mummy Chamber |
7 | 虫の間 | Bug Room |
8 | 蛇の神殿 | Snake Temple |
9 | 評議会の間 | Council Chamber |
10 | 炎の息 | Breath of Fire |
11 | 吹き矢の回廊 | Dart Corridor |
12 | 転がる岩 | Rolling Boulder |
以上!最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。今回調べてて感じたのは、もう「クリスタルスカルの魔宮」のBGSを正確に把握している人間は、日米含めてもディズニー内にいないのでは?というものです。
先程も話したdbstory.jpの中で紹介されている、上海のプロップスに書かれた内容は、東京の設定とはかなり矛盾点があります。また、魔宮の場所をペルーと表記しているなど(本来はユカタン)、基本的な設定すら間違っています。恐らく、映画の「クリスタルスカルの“王国”」の方とごっちゃにしてるものと思います。
とまぁ、イマジニアが知らないのなら、OLCが答えを持っているとは考え難いです。あまり無責任な事を言うもんではありませんが、とんでもなく的外れなことは書いたつもりは無いので、一旦は本記事の内容で覚えて頂いて、またBGSファンの皆さんと時間を掛けて検証していければ良いかなと思います…。
使用した画像
LMG Vids : https://youtu.be/9dWINGnScDg
Attractions 360° : https://youtu.be/8OEkTOubp8g
参考にしたサイト
https://tdstraveler2001.blog.jp/
https://ameblo.jp/blacksann88/
https://jungleskipper.com/sea/attractions/skipper-canteen
https://lrd-adventure.hatenablog.com/
https://dbstory.jp/lost-temple-found/
https://www.disneyphotoblography.com/2022/02/hunting-crystal-skull.html
http://blog.livedoor.jp/wininter001/archives/53043575.html
https://mayanpeninsula.com/en/mayan-gods/
https://www.spanishacademyantiguena.com/blog/2021/06/12/mayan-god-yum-kaax/