ヴォルケイニア・レストラン
ヴォルケイニア島の基地に必要な莫大な電力は、火山から噴出る水蒸気を利用した、地熱発電によって賄われています。また、有り余る地熱は料理にも使われており、この洞窟にはクルーの為の食堂も併設されています。
発電所内部は、中央の厨房を隔てて左右に別れています。おおよその流れはまず、東側(East)の下当たりに蒸気の井戸があり、外側の壁を沿う形で様々な処理装置が設けられています。東側で処理された高温蒸気は、厨房を通り西側の発電機に移動します。発電に使用した低温蒸気は東側に送り返され、復水器で水に戻されます。
蒸気井
Exhaust Gases – 排気ガス
Thermal Intake – 高温蒸気
Pressurized Outflow – 圧力流出
蒸気井の下方には基地の送電方式に関する事が書かれているのですが、同じ内容が発電機にもあるので、後ほど合わせて紹介します。一番上は排気ガスとなっており、次の多岐管(マニホールド)で取り除かれた不要な物質がここに戻って来ます。
地底から噴出した蒸気は、主に真ん中の管を通り、一番下は熱湯が通っています。山頂など低気圧の場所では水の沸点は低く成るのですが、逆に圧力鍋などの高気圧下では沸点が高くなり、100℃以上でも液体を保つ事が出来ます。恐らくこれを利用して、設備の小型化を計っていると思われます。
多岐管
Manual Exhaust Override
手動排気優先弁
Thermal Bypass
熱気調整弁
Magnetic Suspension Conduit
磁気浮上誘導弁
仕組みや内部構造に関して細かくは分かりませんが、中央に流れる蒸気から砂やガスなどを取り除き、蒸気井に送り返しています。それ以外は次に運ばれますが、ここでパイプが少し太くなった事に気付くかと思います。これにより圧力が開放され、熱湯は再び水蒸気となり体積を爆発的に増やします。
バルブ機構
Wells Valve Assembly
蒸気井とバルブ機構
Active Thermal Vapours Present
活性高熱蒸気有り
図解とは装置の形が、若干違うように見えます。また、太い管が地面まで刺さっていますが、図解には特に用途の記載がないため、あくまでも支えであり、地下まで管が通じている訳では無いと思います。このあと高温の蒸気は、左側のパイプから厨房の裏を通り発電機へと運ばれます。
発電機
発電機の仕組みは単純で、蒸気が巨大な風車(タービン)を通る事でモーターを回転させ電気を発生させます。よく見ると、発電機からは3本の電線が出ていることが分かります。身近にある送電線もそうですが、巨大な電力を扱う場合は電線を3本使用した三相交流が適していると言われています。
電流が流れる為には電線を1つの輪にする必要があります。つまり電子の行き(-)と帰り(+)で2本有ればOKです。行きが3本なら帰りが3本で合計6本必要そうですが、送電のタイミングが1/3ずつズレているおかげで、常にお互いが行き帰りを兼任しており、電線を1本足すだけで送電力を3倍にする事ができるのです。
右の二つのプレートについて
Warning! Crew members with proper certification only are permitted to operate Magneto Electroscope.
注意!マグネトー(高圧磁石発電機)の検電器を操作出来るのは、適切な認定を受けたクルーのみ。
Degauss. Galvanic Connection prior to withdrawing Electromotive Coupling.
消磁:起電結合を引き込む前に、ガルバニック接続せよ。
起電結合とは文字通り、電気を起こす物(発電機)に電線が繋がった状態の事です。ガルバニック接続は異種金属の接触の事です。それを引き込むと言うことは、つまり「検電器に電気を通す前に、電線をしっかり繋げ」と言う事です。DEGAUSS(消磁)に関しては恐らく、検電器を消磁(リセット)してから使用せよ、という事かなと思います。
Dielectric Are Inhibitors / 誘電体 (抵抗)
直訳:誘電体は阻害剤
予想には成りますが、計器がある方が「コンデンサ(キャパシタ)」、その右の管のような物が「ヒューズ」だと思います。コンデンサは電気を一時的に蓄え放出する事で、電流の量を一定に保つ機能があります。ヒューズは融点の低い金属で作られた部品で、定格以上の電気が流れた際に、溶解して電気回路を遮断します。
これにより、接続された電灯や電子機器を守っています。また、ヒューズはガラス管に収められていますが、これは回路切断後に空気中に電気が放たれる「アーク放電」の発生を防いでいます。基本的に空気は電気を通しませんが、保護ガスや消弧剤(二酸化ケイ素/SiO2)を入れることで、絶縁性を高めることが出来ます。
変換器
Warning : Transformer
To mountain proper aetheric field, Transform voltaic polarity at prescribed intervals. Do not operate when magnetic polarity is reversed.
注意 : 変換器
大量の電力を供給する為に、変換された電気の極性は一定間隔で変化している(交流電源に変換している)。電磁極性が逆転してる時は操作禁止。
交流電流が流れているから、触るなという解釈で良いと思います。この機械は、発電された電気を基地全体に送電する為の装置です。上部に取り付けられたコイルから、電磁波を利用して無線で電気を送っています。
無線送電
Capacitor / 240,000 Nemowatts
キャパシタ / 24万ネモワット
受信機と思われる右の2つの装置には、容量と思われる「24万ネモワット」の記載があります。ネモクルー独自の単位のようですが、詳しい事は不明です。
復水関連
Hydronium – ヒドロニウム
Air Separator – 汽水分離器
Air Chasing Pump – 回転式ポンプ
発電機の右上から出る太いパイプは、発電に使用され、低温に成った水蒸気が流れており、パイプには「ヒドロニウム」と書かれています。ヒドロニウムは「H3O+」で表される、水素系の化合物です。火山ガスに含まれる、フッ化水素(HF)や硫化水素(H2S)を総称して呼んでいるのだと思います。
低温の水蒸気は、復水器に到達するまでの間に、一部が液体に戻ってしまいます。液体は配管内を逆流するだけでなく、内部で凝固して配管内を塞ぐ可能性があります。その為、このような回収スポットは、最後の復水器までの間にいくつか設置されているのでは無いかと思います。
水流調節機
発電機の左下から出る細いパイプは、発電の際に冷めて液体に戻った、火山ガス(液体)が流れています。水流調節機は文字通りで、その復水の流れを調節しています。調節機を使わず垂れ流しにしていると、水量が減った際に配管内が空洞になる事で腐食を引き起こしたり、逆に増水した際の水撃現象でパイプを破壊する可能性があります。
復水器
Cleanse Filter Fortnightly
手前:2週間ごとにフィルターを掃除せよ。
蒸気中に含まれる、硫化水素などの不凝縮ガスを抽出する装置です。不凝縮ガスとは文字通り、冷やしても液体に成らないガスの事です。このフィルターの清掃は、想像するだけで吐き気がします。臭いなんてどころでは…。
Oscillating Vapour Condenser
奥の装置:循環式復水器
復水器は名前の通り、蒸気を水に戻す装置です。わざわざ水に戻さず、そのまま煙突などから屋外に排出する方法もあります。しかし、その方法だと蒸気の移動する力を、地底からの噴出力に完全に依存することになります。蒸気は水に戻る時、急激に体積を減らします。
例え話をすると。ペットボトルに熱湯を少し入れて放置すると、水蒸気が水に戻りボトルは凹みます。その状態でフタを開けると、プシュッと空気を吸い込むのですが、それと同じ現象を復水器によって作っています。地底の噴出力だけでなく、末端の吸い込む力(収縮力)が加わることで、タービンの回転速度を大幅に強化する事が出来るのです。
謎の装置
一応紹介しますが、この先は完全に「予想」のみ、読んでも何も解決しないです。筆者の今後の為のメモとして書いていますので、悪しからず。分かり次第、加筆したいと思います。
拡散装置
Wells Valve Assembly
蒸気井とバルブ機構
Avert Eyes During Static Dispersion Cycle
静的拡散装置の使用中は直視禁止
Take heed whilst pump is activated.
ポンプ作動中は注意せよ
蒸気を使った装置ではありますが、発電とは関係のない物に見えます。私の予想としては、一度蒸気を開放して再び集める、蒸留式の飲料水生成装置かなと思います。ポンプが冷水機の真上に配置されているので可能性は有りそうですが、この場では「分からない」としておきます。
交差式細動機
右の装置
まず「Fibula」ですが、世界最古の安全ピン「フィブラ」や、そこから派生した「腓骨(カーフ)」を意味します。元々、ラテン語「Figo」から派生した言葉で、「結びつける」という意味を含んでいます。また、この語源から派生した言葉に、AEDのDの部分「細動を解く」を意味する「Defibrillator」があります。
このことから、細かな振動を用いて物質を分離、もしくは合成する装置ではないかと、筆者は予想しています。何を分離する装置なのか、逆に合成する装置なのかは謎です。詳しい方が、このサイトに迷い込んで来られるのを願っております。
左の装置
Step Ball Valve – 段階式ボールバルブ
Top of Float – 上澄み?
ボールバルブとは、穴の空いた球状の部品が回転することで、流体の制御を行うバルブの事です。タンクに書かれた「Top/Center/Bottom」から予想するに、何かしらの物質をその重さによって分離させて、抽出する装置なのではないかと思います。
あとがき
今回は以上になります。内容が複雑過ぎて、考察を後回しにしておりましたが、ようやく公開することが出来ました。情報の正確性に関しては不安がありますが、少なくとも、これから調べる方の足掛かりには成れたかなと思います。最後までお読み頂きまして、ありがとう御座います!それでは、またの記事もどうぞお楽しみに!
参考にしたサイト
https://www.kyuden.co.jp/effort_renewable-energy_geothermal.html
https://www.nch-pg.co.jp/mechanism/entry14.html
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/rovdm/Miyakejima_rovdm/miyakejima_gas.html
https://www.weblio.jp/content/fibula