ムトゥンドゥ族との取引と冒険記

ムトゥンドゥ族との取引

ハイタワー三世の新聞

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グレーター・ニューヨーク版 Vol.24 – No.30
ニューヨーク・グローブ通信
ニューヨーク市NY区 / 1899年12月19日(火)
初版 最終版 / 価格:一部6ドル/毎日購読3ドル

ハリソン・ハイタワー / アフリカから帰還
ハリソンハイタワー三世のコンゴ川遠征
出版社コメント:ハリソン・ハイタワーのスリリングな探検記をお楽しみ下さい。つい数日前、アフリカにいるハリソン・ハイタワー三世本人から、特急便で直接送られてきたものです。ページからはジャングルの熱気が伝わってきます!

ハイタワー三世の新聞

来週初めの12月28日頃に、ハリソン・ハイタワーのヨットがニューヨーク造船所に戻る予定です。12月31日、1899年の大晦日には、パーク・アベニューで盛大な祝賀パレードが行われ、最後はホテル・ハイタワーで特別なパーティーが開かれる予定です。詳細はまだ公表されていませんが、決まり次第お知らせします。28日は、アフリカから凱旋帰国する彼に声援を送るため、ぜひ波止場にお越し下さい!そして運がよければ、驚異的で神秘的な「シリキ・ウトゥンドゥ」を垣間見ることが出来るかも知れません。

暗黒大陸への冒険

暗闇への冒険 – タイガー・ハロウナシオ著
11ヶ月前、ハリソン・ハイタワー三世は彼の探検家人生で最も困難な探検に乗り出した。アフリカで最も危険で未開の地域のひとつである、コンゴ川流域の壮大な探検である。コンゴ川は蚊が蔓延る広大な水路で、全長2,000マイルを超え、鬱蒼としたジャングルや蒸し暑い湿地帯を通り抜け、暗黒大陸の未踏の地の奥深くまで続いている。

ハイタワーはその地に伝わる、背筋が凍るような恐ろしい逸話を何度も聞いていたが、恐れなかった。彼は東アフリカで苦難に耐え、ビクトリアの滝の岩山では、賢い部族を出し抜いたことはあった。しかし、これまでの遠征で、クロコダイルがうようよいるコンゴの川を冒険をした事は無かった。

1899年1月:その日のニューヨークは雪に覆われていたが、ハリソン・ハイタワーは自家用ヨット「ハイタワーズ・プライド」のデッキに立ち、アフリカ西海岸のフランス領コンゴ共和国のロアンゴ港に向かって航行していた。空気はとても熱く湿っていて、男たちは生きたまま茹でられている様だった。しかし、ハイタワーは笑った。「元気を出せ、若者達よ。この先もっと熱くなるぞ」。

コンゴ川には、恐ろしい噂が数多くあり、その周辺は比較的発展しているにもかかわらず、未だアフリカで最も危険な川のひとつである。海岸沿いはフランスの植民地であるが、川上地域は現在も、攻撃的な先住民族の支配下にあり、その多くは文明人の想像を絶する原始的な儀式が行われている。ハイタワーは、フランスの植民地行政官から遠征を断念するよう懇願されたが、動じずに聞いていた。「ムッシュ・ハイタワー、上流に気を休める場所などありません。ありえない!危険すぎます」しかし、ハイタワーは、金や人命の犠牲を払ってでも、遠征を続行する決意を固めた。彼はすぐに少人数の部隊を編成し、カヌー隊をコンゴ自由国の奥深くまで漕ぎ出した。

彼には、執事のスメルディング氏、18人の武装した部下、3人のカメラマン、料理人、通訳、30人の先住民のポーターが同行した。その目的とは、希少な工芸品や貴重なアフリカ美術品を探し求め、汚らわしい密林にため込んでいる野蛮人から救い出すことだった。ハイタワーのモットー:”原始芸術の価値は原始人には分からない”

控えめに言っても、過酷な旅であった。先住民族は川岸の両側から探検隊を襲い、ポーターの多くを脅して追い払った。5月までに探検隊の3分の2を失い、工芸品は1つも手に入らなかった。なぜなら探検隊が行く先々で敵対する原住民が、容赦なく襲ってきたからだ。探検は大失敗に終わり、隊員たちは何度もハイタワーに引き返すよう懇願した。しかしハイタワーは、敗北の淵から勝利をもぎ取ろうとする執拗な決意に突き動かされた。

ムトゥンドゥ族との出会い

ハイタワー三世の新聞

7月16日:ハイタワーの少なくなった探検隊は、怒れる部族に追われながら、命からがら川を漕いでいた。辺り一面に矢が降り注ぎ、旗竿ほどの大きさの槍に、男たちは恐怖の叫びを上げた。悲鳴が無情なジャングルの壁から響き渡った。戦闘用のカヌーに乗った原住民の激しい詠唱が、ハイタワーの部下達に迫っていた。すべてが失われたかに見えた。しかしその瞬間、ハイタワーは支流の河口近くに、ねじ曲がった木があることに気付いた。そこには二つの光る緑色の目が巧みに描かれていた。25年にも及ぶ冒険によって得た直感で、部下達を支流へと導いて、その目の下を通り過ぎた時、原住民は追跡するのを止めた。

ハイタワーの通訳は、その緑色の目に気づき、我々が今、恐ろしいムトゥンドゥ族の支配域に入った事を伝えた。ムトゥンドゥとは現地の方言で「いたずら好き」という意味で、敵に黒魔術の様な悪戯をすることで知られているからだ。通訳はハイタワーに引き返すよう懇願した。しかし、怒れる部族が川下で待ち構えている以上、進むしかなかった。彼らはカヌーを漕いで不吉な支流を遡り、鮮やかな緑色の苔が気持ち悪いほど生い茂る腐りかけた森を抜けていった。

ムトゥンドゥ族の人々が両手を広げ、友好的な顔で探検隊を歓迎し、宴会へ招待された時、部隊の男達は大喜びした。彼らはハイタワーに、その小さな村の中では葉巻の火を消すよう慎重に頼んだ。特に彼らの長、キジャンジと呼ばれる陽気だが原始的な男は特に…

呪いの偶像

宴会の最中、ハイタワーはムトゥンドゥ族が「シリキ・ウトゥンドゥ」と呼ばれる古代の小さな偶像に守られていることを知った。それは小さく醜い見た目で、太古の昔に木で彫られ、金属片や釘で覆われていた。それは部族のシャーマンが黒魔術を効果を引き出す為に叩き込んだとされている。彼はまた、シリキ・ウトゥンドゥがこの地域全体で最も貴重で、重要な偶像のひとつであることも知った。他の部族もこの偶像を常に狙っており、骨董品コレクターにとっても価値がある。

ハイタワーはその醜くも美しい偶像に、完全に魅了された。彼はキジャンジ族長に、偶像を持って、写真を撮っても良いか尋ねた。偶像がハイタワーの手に渡った時、彼はそれを返すのは間違いだと悟り、彼のアフリカ美術コレクションに納めるに相応しいと考えた。彼は公平な取引を望み、偶像との対価に数珠と…

村からの脱出

ハイタワー三世の新聞

…族長はもう笑っていなかった。彼はハイタワーの手から偶像を強引に引き剥がし、祭壇に戻した。ハイタワーは選択(交渉)の余地が無くなり、力ずくで手に入れることにした。彼の命令で、ハイタワーの手下達は隠し持っていた武器を取り出し、村からの脱出と戦闘の準備を始めた。しかし部族は、ハイタワーが祭壇から再びシリキ・ウトゥンドゥを取り上げるのを、ただ黙って無表情で見ているだけだった。偶像についた錆びた金属片が彼の手を切った時、族長はハイタワーの手に付いた血を見て微笑んだ様に見えたが、強奪を阻止しようと手を上げることは無かった。村人たちの目はギラギラと恐ろしい憎悪に満ちていたが、彼ら全員の虫歯だらけの口元は笑っていた…

…彼の経験では、原住民は奇妙で不可解なことを沢山する。通訳は、偶像は呪われているかも知れないと言ったが、その後数日して、彼らはシリキ・ウトゥンドゥが幸運の前触れであると確信した。最初に彼らを追ってきた部族は、ハイタワーが偶像の台座を持っているのを見て、直ぐに武器を川に投げ捨てた。彼らは遠征隊を村に歓迎し、ハイタワーに要求されたものを全て与えた。偶像はその後、探検隊が訪れたどの村でも同じ効果をもたらした。ハイタワーが偶像をカヌーの舳先にロープで括り付けると、コンゴ川の上流から下流までに出会った全ての部族が、両手を広げて歓迎した。その道中、彼が手に入れたのは…

ハイタワー三世の冒険記

タワーオブテラー新聞

ハイタワーの人気冒険雑誌の一部で、若い読者に彼の活躍を紹介している。
ハリソン・ハイタワー、聖地ベナレスにて
ガンジス川の辺り、インド遠征1884年

タマス像

タマス像

ハイタワー少年探険隊に参加しよう!ページ2へ
ハイタワー少年探険隊! / ”少年が読める新聞”
No.18 1巻 / 週末の土曜, 1884年1月5日 / 価格:1ペニー

怒り狂った原住民たちが、憎しみに目を輝かせながら集まってきた。しかし、ハイタワーは巨大で恐ろしい像の横に怯む事なく立っている。「この獣は私のものだ!野蛮人どもには私の行く手を阻むことはできない!」

タマスの獣を手懐けろ!
ハリソン・ハイタワーの新しい冒険

ポセイドン像

ポセイドン

ハイタワーのハーフダイム図書
No. 925 / 価格:5セント
チェスター・ファリントン・ウールプールが毎週刊行

ポセイドンを救出せよ!
「もう後戻りはできない!」
スメルディング氏は、水平線に浮かぶ嵐の雲を指差したが、ハリソン・ハイタワー三世は彼の背中を叩き、咆哮した。「勇気を出せ、スメルディング君!」

日本遠征

ハイタワー三世の日本遠征

ハイタワーのそびえ立つ物語
タイガー・ハロウナシオ
No. 425 / 価格:5セント
ニューヨーク 1887年3月22日

ニューヨークの忍者
ハイタワーは笑いながら人力車に飛び乗り、スメルディング氏はその痩せた小さな脚で、偉大な男と彼の新しいの獲物を安全な場所まで運ぶ為に奮闘した…

スペシャルサンクス / 翻訳に関して
Koba氏

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