秘密の倉庫
ラムセス二世
ラムセス二世は、エジプト新王国第19王朝のファラオで、オジマンディアスの名でも知られる。有名なファラオは何人かいるが、彼ほど人気と実績がある王は他にいない。
四体の番人
ファラオの台座の周辺には、オシリス神と非常に関わりが強い4体の石像が立っている。それぞれ、イヌの頭のアヌビス、人間のトトメス三世、ハヤブサの頭のホルス、ワニの頭のセベク。※神話は長くなるので割愛
アヌビス:ミイラ作りに関わる冥界の神。
トトメス三世:古代エジプト第18王朝6代目ファラオ。
ホルス:太陽や天空の神、ファラオの化身。
セベク:ナイルワニの神で、ホルスと仲が良い。
アヌビスとトトメス三世が運ぶ宝石箱には、生産の象徴にして葬送の神オシリスの背骨を表す「ジェド柱」が象らえている。
ファラオの台座の側面には、ホルスの4人の息子を模したカノプス壺が並んでいる。カノプス壺はミイラを作る際に、魂が宿るとされていた心臓を除き、特に重要と考えられていた臓器を取り出し、保存するために使われていた。左からそれぞれ、
ドゥアムトエフ:イヌの頭を持つ、胃を守る神。
ムセティ:人間の頭を持つ、肝臓を守る神。
ケベフセヌエフ:ハヤブサの頭を持つ、腸を守る神。
ハピ:ヒヒの頭を持つ、肺を守る神。
真ん中にあるのは、牡羊の頭を持つ太陽神アメン・ラーの胸像。
サルコファガス
2つの立てかけられたサルコファガス(棺)は、ツタンカーメン王と妻のアンケセナーメン王妃のもの。棺の中央には、古代エジプトの文字ヒエログリフで、ツタンカーメンの即位名である「ネブケペルウラー」と書かれている。
アクエンアテン
棺の前には、ツタンカーメンの父であるアクエンアテン王と、王妃ネフェルティティの像が置かれている。アメンホテプ四世の名前で即位するが、後に改名。アメン神を中心とした多神教国家だったエジプトを、アテンを主神とした単一神教国への改宗を目指すも失敗。現在では改革者としての一定の評価は在るものの、当時は王権と国家の弱体化を招いた事で国民からは支持されなかった。
その他の収集品
ツタンカーメンの黄金の玉座の背後には、守護神であるホルス、太陽神アメン・ラー、冥界の神オシリスがいる。この配置は決して適当では無く、エジプト神話に基づいている。ホルスはかつて、アメン・ラーの息子である大ホルスと、オシリスの息子である小ホルスに分かれていた。この2つのホルスは後に習合し、人間のファラオへと姿を変え、現世を治めてるとされる。
ロビー付近
夫婦の棺とレリーフ
ホテル入口直ぐの壁には、男女の棺と2つの壁掛けレリーフがあり、レリーフはどちらもツタンカーメンの玉座と同じデザインになっている。上はツタンカーメンと妻のアンケセナーメンが描かれ、下は永遠や無限の象徴である、ヘフ神が描かれている。倉庫にも同じデザインの棺があるが、発色の良さや飾り方から見て、こちらはレプリカではないだろうか。
フロントデスク
フロントのキーボックスを囲む遺跡の上部には、翼を持つ太陽円盤と2匹のコブラのレリーフがある。これは全てひとまとめで「ホルベヘデティ」と呼ばれ、大ホルスの古い姿と言われている。キーボックスの左にある石版は、豊穣の女神イシス。右の石版は、若い頃のセティ1世を描いており、中央には即位名の「メンマアトラー」と書かれている。
フロントデスクの全面の1枚は、セティ1世の戴冠式を描いたもの。左にはコブラの女神ウアジェトと、右は欠けているが、本来はハゲワシの女神ネクベトが描かれている。右上には即位名と、誕生名の「セティ・メルエンプタハ」の記載もある。その他の石版は、調査中…。
スペシャルサンクス / 壁画に関して
Tamas氏 @tamagineer
参考にしたサイト
http://itsnoteasy.blog93.fc2.com/blog-entry-104.html
https://mountain-fox.net/egyptianmythology-8/
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/102000479/
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Canopic_jar
https://www.y-history.net/appendix/wh0101-042.html
https://www.museumstorecompany.com/Coronation-scene-of-Seti-I-Temple-of-Abidos-Egypt-19th-Dynasty-1317-B-C-p5476.html