ドックサイドダイナー

ドックサイドダイナー

スチームシップ・カンパニー

U.S.スチームシップ・カンパニーの本社と倉庫をダイニングとして開放しています。SSコロンビア号の初航海の祝賀会が開かれ、元大統領のセオドア・ルーズベルト(テディ)とウィリアム・タフト大統領が招待されました。その為、店内の中央には、積み下ろし車両を利用した演説台が用意されています。

演説台の「No.177」という数字は、1773年のボストン茶会事件に始まり、翌々年からの独立戦争、そして独立宣言が採択された1776年7月4日など、アメリカの歴史の中でも最も重要な出来事が立て続けに起こった期間から取られていると考えられます。

レジカウンターの上吊られている旗は、国際信号旗といって、海上において船舶間での通信に利用される世界共通の旗です。それぞれに意味がありますが、アルファベットにも対応しており、これを解読すると、Columbia, the Gem of the Ocean(コロンビア・大洋の宝)という意味になります。

U.S.スチームシップ・カンパニー

U.S.スチームシップ・カンパニー

ホレイショースクエア1番地にある、会社のメインオフィスです。1865年にコーネリウス・エンディコット二世によって開業し、海運事業や豪華客船の運営などを行っています。現在の経営は、息子の三世に引き継がれています。

U.S.スチームシップ・カンパニー

メインオフィスの通路には、カレンダーやタイムカードがあり、ここからアメリカンウォーターフロントの時間設定が1912年2月4日である事が分かります。

エンディコット氏の言葉

ダイナーの正面入口の左右には、エンディコット三世と、二世の言葉が書かれています。

コーネリウス・エンディコット

IT IS MY FERVENT HOPE THAT
FUTURE GENERATIONS WILL LONG ASSOCIATE
THE ENDICOTT NAME
NOT MERELY WITH STEEL MILLS,
BUT WITH GROBAL SHIPPING AS WELL.
CORNELIUS ENDICOTT, Ⅱ
1887

将来の世代が、エンディコットという名前を製鉄だけでなく、世界的な海運業とも長く結びつけてくれることを願う。コーネリウス・エンディコット二世

コーネリウス・エンディコット

MY FATHER’S FATHER CAME TO THIS COUNTRY WITH
NOTHING BUT THE DESIRE TO
SUCCEED WHERE OTHER MEN HAD FAILED.
AND SUCCEED HE DID,
BEYOND HIS WILDEST DREAMS.
AMERICA TRULY IS THE LAND OF OPPORTUNITY.
CORNELIUS ENDICOTT. Ⅲ
1909

私の祖父は「他の者達が失敗に終わる街で成功する」という野望だけを持って、この国に渡って来た。そして、夢にも思わなかったような成功を収めた。アメリカは正に、チャンスの国だ。コーネリウス・エンディコット三世

倉庫と作業場

ドックサイドダイナー

倉庫内を見ると、荷物が載ったベルトコンベアが作業場を抜けて、外へ通じる両開き戸まで続いてる事が分かります。この扉に屋外からコンベアを接続する事で、SSコロンビア等の大型船に直接貨物を搬入する事が出来ます。

貨物と予定表

ドックサイドダイナー

横浜やリオ、マルセイユといった世界中の都市から届いた荷物が、地域ごとに分けられて積まれています。なかにはケープコッドの缶詰や、ザンビーニのワインなどもあり、パーク内での繋がりも感じる事が出来ます。

ドックサイドダイナー

中央の倉庫内には、就航中の船の発着予定が書かれたボードがあります。会社が所有する豪華客船「SSフーサトニック」と「SSモノンガヒーラ」の名前や、新たに加わった「SSコロンビア」が出航の準備中である事などが書かれています。

ヴァルカン

ドックサイドダイナー

作業場にある緑色の大きなタンクには、ヴァルカン・ピッツバーグ・ペンシルベニアと書かれたプレートが取り付けられていますが、全く同じロゴがデランシー・ケータリングのトラックにも見られます。

ピッツバーグはかつて、鉄鋼業の一大拠点として知られていました。1901年に設立されたUSスチールは、わずか数年で国内の鉄鋼生産の約3分の2を占めるに至り、その圧倒的な影響力を誇りました。また、創業者アンドリュー・カーネギーは「鉄鋼王」と称され、その名は鉄鋼業界のみならず、アメリカ経済史においても重要な存在として刻まれています。

ヴァルカンは大釜、転じて溶鉱炉を意味し、鉄鋼業界に纏わる団体や、地域の名前にも使われています。このロゴに直接的な元ネタが存在するかは分かりませんが、アメリカの工業の歴史が感じられる要素です。

以上、今回はここまで
次回の記事もどうぞお楽しみに!

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