ケープコッドの町並み「ピーコッド・ストリート編」

まずはじめに。本記事で紹介するBGSは、プロップスや時代背景から読み取れる物の中から、個人的に確率が高いと考えているものを紹介しています。本来であればすべての文は「だろう」や「思われる」と付けるべきですが、くどい文章に成るので、言い切る表現があります。ご了承下さい

ケープコッドについて

Cape Cod
ケープコッドのピーコッドストリート

ケープコッドは、アメリカ・ニューイングランド地方の、静かな港町をイメージして作られました。特にマサチューセッツ州のナンタケット島と、同名の町ケープコッドの要素は多く取り入れられています。

ケープコッドの歴史

The History
ケープコッドのピーコッドストリート

まず、パークでのケープコッドの由来を紹介します。当時の世界では、地名は最初に発見した者に名付ける権利があるとされていました。1680年のある日、二隻のイギリス船がほぼ同時に岬に上陸しました。当然、二人の船長は自分の名前を地名にするため、自分が先に見つけたと主張します。

話し合いは続き、日が暮れ始めた頃、周りで聴いていた群衆の中の一人の女性が海を見て、コッド(タラ)が沢山泳いでいる事に気付きました。すると女性は「もういい加減、私達もお腹が空いて来ましたわ、タラの岬(ケープコッド)にしましょうよ」と言いました。周りもそれに賛同し、今に至ります。

ピーコッド・ストリート

Pequod Street
ケープコッドのピーコッドストリート

アメリカの作家ハーマン・メルヴィルによる1851年の小説「白鯨」に登場する、エイハブ船長の捕鯨船「ピーコッド号」から名付けられました。

ケープコッドのCodではなく、Quodなので「クォ」と読むのがより近い発音ではあるのですが、「クォッドが正しい」「いやクォドだ」「クオッドだろ」とキリがないので、カタカナ読みに正解なんて無いと諦めて、ピーコッドと呼ぶのが少なくともパークでは正義です。

因みに、ピーコッド号自体はマサチューセッツ州のおとなり、コネチカット州の原住民「ピーコット族」から取られているので、ピーコッド・ストリートの由来は両方だとも言えます。

タウンホール

Town Hall
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート1番地は、ケープコッドの町役場であり、お祭りなどのイベントにも使える、村人達の集いの場です。7月4日独立記念日の今日、タウンホールでは年に一度の料理大会、クックオフが行われています。

どうやら決着は既に付いたようで、メニューには入賞した料理が名を連ねています。優勝した料理には、ブルーリボンのロゼットが与えられ、「ファーストプライズセット」として提供されています。

タウンホールの特徴的な外観は、ナンタケット島にある、ユニテリアン派の教会をモデルにしています。イギリスの入植やピューリタンなどの宗教的なことは、また別の記事で話したいと思います。

C.W.スローン診療所

C.W. Slone, M.D.
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート2番地には、C.W.スローン医師が経営する診療所があります。頭痛から足の骨折まで何でも診てくれるほか、産婦人科としての役割も担ってくれています。看板には、コウノトリが象られており、安産祈願のフォトスポットとしても有名です。

J.W.パーシー治安判事局

Justice of the Peace
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート3番地は、パーシー治安判事の事務所と下級裁判所になっています。看板には「Notary Public (公証人)」「Fishing Licenses (業漁免許)」「Weddings (結婚)」と書かれており、住民同士や他の村との契約に必要な公的な立ち会い人をしてくれます。

D.B.クーパリッジ

D.B.Cooperage
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート4番地にあるのは、ダリウス・バトラー氏の経営する工場です。「Barrels Made & Repaired」の看板の通り、樽の製造と修理をしています。クックオフの店内の壁画にもあるように、当時はクジラ漁が盛んに行われており、クジラから取れる鯨油は、樽に詰めて保管していました。

クーパリッジ(cooperage)自体が樽屋や桶屋を意味しているのですが、このD.B.という名前には元ネタがあると考えられます。それは歴史上、唯一の未解決ハイジャック事件とされる、D.B.クーパー事件です。

ケープコッドのピーコッドストリート
ロキの第二話

1971年、ダンクーパーと名乗る人物が、現在の価値にして約1億円もの金を身代金として要求し、着陸したタコマ空港で金を受け取ったあと、再離陸した飛行機からパラシュートで脱出しました。2016年に正式に捜査が打ち切られ、現在もその身元は判明していません。

第一消防署

C.C.V.V.F.D
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート5番地には、第一消防署があります。消防署と言っても、小さな村ですから、隊員はみんな村人で全員が消火係です。普段は漁師や船の製造など、各々仕事があって火事があれば駆けつけます。看板に書かれた「C.C.V.V.F.D」はケープコッド村・ボランティア・ファイヤーデパートメントの略です。

ケープコッド・コンフェクション

Cape Cod Confection
ケープコッドのピーコッドストリート

今日は7月4日のアメリカ独立記念日、それと年に一度の料理大会「クックオフ」の開催日でもあります。内外から来るゲストのために、村の消防団もお菓子で出迎えます。

ボートビルダー社

Boat Builder Co.
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート6番地にあるのは、ドナルド・ダックが経営するボートビルダー社です。この設定が生きてるのか、正直怪しいところではありますが、特に内装はオープン当時から変わってないので、今もオーナーはドナルドではないかと思います。

ケープコッドのピーコッドストリート

次の記事でも紹介するのですが、この建物はもうひとつの通り「クランベリーボグ・ロード」にも面しており、保税倉庫との境界線が非常に曖昧に成っています。緑の建物だけが倉庫かと思いきや、屋外の積み下ろし台には、「ラブクラフト保税倉庫」と書かれており、ボートビルダーの二階部分に繋がっています。

ケープコッドのピーコッドストリート

内装のロフト部分見てみると、積まれている荷物が左右で少し違うこと気付きます。左側は、漁の道具などが乱雑に置かれているのに対して、右側は木箱が多く比較的綺麗に整頓されています。また、少し離れたところから見ると、奥の方に通路が有るようにも見えます。

ケープコッドのピーコッドストリート

つまり、右側のロフト部分のみ保税倉庫の管轄で、それ以外は「ボートビルダー社」の建物、なのでは無いかと思います。

シップライト

Shipwright
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート11½番地にあり、船の製造と修理を行っています。アモス T.フェアウェザー夫妻が経営しています。おそらく旦那さんが船の製造で、奥さんが宿泊所の仕事をしているものと思われます。

海員宿泊所

Safe Haven Sailor’s Home
ケープコッドのピーコッドストリート

シップライトの二階にあるのが海員宿泊所です。「Time to anchor drop here(錨を降ろす時だ)」は、腰を下ろしゆっくりして行って欲しいという気持ちと、船の錨をかけたユーモアのある文になっています。

パーソンズ・セイルロフト

Parson’s Sail Loft
ケープコッドのピーコッドストリート

ピーコッドストリート11番地にあり、アガサ・パーソン氏が経営する作業所です。船の帆の製作や修繕を行っています。帆を広げて作業するための広い一階が特徴です。

アーント・ペグズ・ヴィレッジストア

Aunt Peg’s Village Store
ケープコッドのピーコッドストリート

赤い板張りの建物は、ペグおばさんの経営する、この村唯一の雑貨店です。漁師だった夫を亡くし、現在は彼が好きだった焼き菓子や、キャンディを店で販売しています。

ペグというのは愛称で、本名はマーガレットと言います。店内の私書箱の手紙には名字も書かれており、スターバックスとホーソーンの二通りの名前が有りますが、恐らく片方は旧姓ではないかと思います。

ケープコッドのピーコッドストリート

名前の由来は、ハーマン・メルヴィル原作「白鯨」の登場人物で、某コーヒーチェーンの由来でもある、一等航海士のスターバック。そして「緋文字」を書いた小説家ナサニエル・ホーソーンです。ここまでは、ほぼ確実かなと思います。

ケープコッドのピーコッドストリート

そして後に、ナサニエル・ホーソーンの住んでいた家を買取ったのが、マーガレット(ペグ)・シドニー(本名 Harriett Lothrop)という童話作家です。関連性の時点で、かなり名前の由来である可能性が高いなと思って居ましたが、いくらなんでも肖像画が似すぎです。

あとがき

Thank You

ひとまず今回は、こんなところかなと思います。最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。次回はもう一つの通り、クランベリーボグロードと灯台などのケープコッドの遺産についてご紹介します。お楽しみに!

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