S.S.コロンビア号

S.S.コロンビア号

S.S.コロンビア号

S.S. COLUMBIA
S.S.コロンビア号

S.S.コロンビア号は「U.S.スチームシップカンパニー」が所有する豪華客船です。アメリカンウォーターフロントの現在の時代設定は1912年2月で、翌月の1912年3月20日に、ニューヨークからイギリス・リヴァプールに向けた、処女航海へと出る予定となっています。

スペック

S.S.コロンビア号
S.S.コロンビア号 タイタニック
処女航海 1912年3月20日 1912年4月10日
全長 140.2 m 269.1 m
横幅 25 m 28.2 m
高さ 46.9m 53 m
喫水 10.4 m 10.5 m
速力 23ノット 23ノット
エンジン 2基 2基
プロペラ 3基 3基
ボイラー 20基 29基
石炭消費 429トン 800トン
淡水消費 ※7,800 ガロン 14,000 ガロン
総重量 23,920トン 46,328トン
建造費 390万ドル 750万ドル

※プロップスには、1日の淡水使用量が780ガロン(3,546L)と書いてありますが、流石にそんなに少ないわけ無いので、正確には一桁増えて7,800ガロンではないかと思います。

エンジンは、左右のプロペラに動力を送る、2基の「3段膨張式・レシプロエンジン」と、それらに使われた低圧蒸気を再利用した「タービンエンジン」を1基搭載しています。

姉妹船

S.S.コロンビア号

U.S.スチームシップカンパニーは「S.S.コロンビア号」の他に、サイズや設計などが近い姉妹船を2隻所有しています。中央の煙突が2つある船がS.S.フーサトニック号、右側がS.S.モノンガヒラ号です。

S.S.ガルガンチュア号

THIS PROPELLER
IS ALL THAT REMAINE FROM
THE S.S. GARGANTUA,
THE WORLD’S LARGEST OCEAN LINER,
WHICH WAS SUNK BY A ROGUE WAVE
OFF SANDY HOOK DURING
THE TERRIBLE WINTER OF
1888.

このプロペラは「S.S.ガルガンチュア号」が遺した物です。世界最大のオーシャンライナーは、1888年の厳冬に、大波によってサンディフック沖に沈みました。

ガルガンチュアという名前は、16世紀フランスの作家、ラブレーの小説に登場する巨人の王様に由来します。S.S.コロンビアを語る際に、よく名前があがるタイタニックもまた、巨人という意味ですから、その繋がりを意識した名前であると言えます。

施設と内装

S.S.コロンビア号

定員・施設数

  • デッキ:9箇所
  • 一等客:385名(216室 + 特等15室)
  • 二等客:350名(84室)
  • 三等客:534名(136室)
  • オープンベッド:21
  • 乗組員:464名
  • 総定員:1,733名
  • 救命艇:16隻

コロンビア・ダイニングルーム

S.S.コロンビア・ダイニングルーム

アールヌーボー様式を用いて作られた、ファーストクラス専用の豪華なレストランです。入口付近には、約2年後(1914)のパナマ運河の開通を予告・宣伝する絵画があり、右下にはセオドア・ルーズベルト元大統領による、演説の一文が添えられています。

Far better it is to dare mighty things, to win glorious triumphs, even though checkered by failure, than to take rank with those poor spirits who neither enjoy much nor suffer much, because they live in the gray twilight that knows neither victory nor defeat.
T Roosebelt

失敗ばかりの波乱が待っていようと、あえて苦難を受け入れて大いなる成功を掴もうとする事は、苦しまない為に喜びも無い、魂の貧しい者達と肩を並べるよりずっと良い。なぜなら、彼らは勝利も敗北も知ること無く、灰色の黄昏を生きているのだから。
セオドア・ルーズベルト

S.S.コロンビア・ダイニングルーム

ダイニングルームの内装は、エンディコット三世の娘でニューヨーク市保存協会の会長「ベアトリス・ローズ・エンディコット」が手掛けたと、タワーオブテラー開業当時の特設サイト「TOT1899」にて語られています。ドックサイドダイナーには、内装のイラストや、使用された生地などが飾られています。

テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ

テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ

Cデッキにあるこのラウンジは、アメリカの偉大な冒険家であり、大統領であったセオドア・ルーズベルト氏を称えてつくられました。店名であり、彼の愛称である「テディ」、その由来となったエピソードは有名です。

彼が熊狩りに出かけた際、弱った熊を撃たずに逃がした、という話を聞いた職人が熊のぬいぐるみを「テディ・ベア」と名付けて販売すると大ヒット。その影響で、彼自身も「テディ」と呼ばれるように成ったのです。

テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ号

さて、バーカウンターには木彫りの熊が並んでいますが、彼らの目線の先には、ランプを咥えた虎たちが並んでいます。どうやら、これにも意味がありそうです。ルーズベルト氏が大統領として支持を集めた理由は、彼がニューヨーク市公安委員長だった頃からの、汚職撲滅や不正に対する姿勢であったと言えます。

彼がNY市の公安委員長に選任された1895年当時の街は、約20年間に及ぶ民主党の市長と、その一大派閥であった「タマニー・ホール」による利権政治が、市政だけでなく警察組織にも蔓延していました。彼は就任後、深夜に市内を巡回して警官を直接チェックするなど、徹底した監視と規律の引き締めを行い、浄化を進めました。

この仕事を通じて彼は、改革派のリーダーとしての評判を高め、後の政治キャリアの礎を築きました。タマニー・ホールは、その強さや恐ろしさを「トラ」に例えられ、風刺画にも描かれています。カウンターを挟んで相対する熊と虎は、そんな政治的対立を表した物ではないでしょうか。

テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ号

左:タマニーとテディ、貴方はどっちを選ぶ
右:タマニー・タイガーの爪を切り落とす若きルーズベルト

以上、今回はここまで。次回はS.S.コロンビア号のモデルと、タイタニックとの共通点について紹介します。どうぞお楽しみに!

タイトルとURLをコピーしました