簡単な違い
互いのメリット
- SLA (光造形式)のメリット
- 造形精度が高く、失敗が少ない
- 複数造形しても時間が変わらない
- 表面を滑らかに造形出来る
- 本体が小さく邪魔にならない
- 仕組みが単純で修理が簡単
- FDM (熱溶解積層法式)のメリット
- 耐久性があり実用品が作れる
- 材料費が安く、種類も多い
- 造形物の後処理が簡単
- 大きな物を造形出来る
互いのデメリット
- SLA (光造形式)のデメリット
- 造形物の耐久性が低く、壊れやすい
- レジンアレルギーを起こす可能性がある
- 後処理や掃除の手間が掛かる
- レジン特有の悪臭がする
- 大きな物を造形出来ない
- 日光に弱い
- FDM (熱溶解積層式)のデメリット
- 小さな造形物や細かい造形は苦手
- 積層面があまり綺麗ではない
- 複数造形すると時間が掛かる
- 本体が大きく邪魔になる
- 仕組みが複雑で修理が難しい
- 熱に非常に弱い
- うるさい
光造形を使った感想(現在)
鉄道模型を製作する為に購入しました。機種は「ELEGOO MARS 2」で、購入当時2万7000円でした。良い点はパソコンの画面に写っていたものが、ほぼそのまま造形される所です。比較的安い機種ですが、個人で利用する分には十分な精度です。逆に悪い点は、匂いやアレルギーなどの健康面でかなり気を遣うところです。レジンは直接肌に触れる時間が長いと、レジンアレルギーを起こす可能性が有り、薄手のゴム手袋をするなどの注意が必要です。
積層式を使った感想(2年前)
特に目的はなく、有ったら面白いかなと思い、購入しました。機種は「XYZダヴィンチ mini W」で購入当時3万5000円程でした。良い点は材料費が安く何度でも失敗出来るところです。大きな物を造形出来る積層式ですが、サイズによっては10時間以上かかる事もあり、その間かなり耳障りな騒音がなり続けます。同じ部屋ではまず寝れないと思った方が良いです。
どっちが良いの
光造形が向いてる人
細かいモデリングが好きな人
台を水平にする作業が済んだら、レジンを入れてボタンを押せば、4,5時間で造形が完了します。もちろん気温や設定によっては失敗する事も有りますが、数回調整すればコツがつかめると思います。初めて自分がモデリングした物が出てきた時は感動しました。凝ったモデリングをすれば、それがきちんと造形物にも反映されるのは光造形の良い点です。
鉄道模型が作りたい人
商品化されていない、映画の車両を自作するなど、模型趣味の幅が格段に広がります。またBoothやDMMなどで個人が販売している3Dデータを使用する事で、何千円もするような模型を、材料費だけで作ることも可能です。もちろん、塗装は必要ですが…。
フィギュアを作りたい人
顔の細かい表情や髪の束感、そして曲線を綺麗に造形できるのは光造形の良い点です。積層式で売られているようなフィギュアを作るのはまず不可能です。
積層式が向いてる人
機械が好きな人
思い通りの造形結果が得られるまで、室温や設定調整などの苦労が多いです。そういうのが好きな人には、向いていると思います。光造形は液体の中で造形されますが、積層式は出来上がっていく姿を見る事が出来ます。また、ガシャンガシャンと音を立てながら頑張って作ってくれている姿は、機械好きにはたまらない物があると思います。
アイデアマンな人
昨年人々がマスクをつけ始めた頃、紐が痛いという声をよく聞きました。するとカナダの少年が頭の後ろで紐をかける、イヤーガードを3Dプリンターで制作し、そのデータを公開した事で話題になりました。今では100均でも似た商品を見かけるほど普及しています。このように積層式のフィラメントの耐久性を活かした実用的な製品を、個人で形に出来る点は、光造形には出来ないことでは無いでしょうか。
正直どっちがオススメ
積層式から光造形に買い替えている点からも分かる通り、私にとっては圧倒的に光造形式の方が使いやすかったです。積層式を使っていた頃は、ノズルが詰まったり、途中で造形物が剥がれたりと何度も失敗しました。設定が悪く、機械の最大限の力を引き出せなかった私のせいでもありますが、試作品の造形にすら失敗するのは、かなりストレスでした。しかしこれは仕組み上、どうしようもない部分が有ります。光造形は上下に動くだけなのに対し、積層式は縦横に動く為、構造が複雑で失敗の要因も多岐に渡ってきます。おそらく壊れても私には修理出来なかったでしょう。その点光造形はシンプルで、不具合を起こすとしたら画面かUVライトかアームくらいです。
あとがき
お読み頂きまして、ありがとう御座いました。少しでもご参考になれば幸いです。