ケープコッド「クランベリーボグ・ロード編」

クランベリーボグ・ロード

Cranberry Bog Road
ケープコッドのクランベリーボグロード

トランジットスチーマーの走る水辺の道の事を、クランベリーの沼地の道という意味の「クランベリーボグ・ロード」と言います。クランベリーはケープコッドの名産品でもあり、ペグおばさんの店では、ベリーを使ったお菓子も販売しています。

通りの対岸にはニューヨークの町並みが見え、川にはハドソンリバーという名前がついていますが、BGS上ではベリーを栽培する沼地が広がっている事になっています。イマジネーションの目を使えば、だんだんタワーオブテラーは透明になり、都会の川は田舎の沼地に見えてくるはずです。

ボートビルダー社

Boat Builder Co.
ケープコッドのクランベリーボグロード

クランベリーボグ・ロード11番地にあるのは、ドナルド・ダックが経営するボートビルダー社です。この設定が生きてるのか、正直怪しいところではありますが、特に内装はオープン当時から変わってないので、今もオーナーはドナルドではないかと思います。(前回と同文)

ラブクラフト保税倉庫

Lovecraft Bonded Warehouse
ケープコッドのクランベリーボグロード

クランベリーボグ・ロード13番地にあるのは、ラブクラフト氏が経営する保税倉庫です。この倉庫は、輸入手続きが済んでいない貨物を保管し、その期間関税の支払いを遅らせる事が出来る施設です。

輸入には送料と関税の二つが掛かってきます。しかし保税倉庫に在るうちは、まだ荷物は外国籍扱いになり、関税を払わなくて良いのです。つまり、この時点で不良品やトラブルが発覚し返品が必要なら、送料だけで送り返すことが出来ます。もし手元に来てから送り返す場合、今度は「輸出」の扱いに成り、送り先の国でもう一度関税が掛かってしまいます。

ラブクラフトの由来は、マサチューセッツ州セイラムに縁のある小説家、H.P.ラブクラフトであると同時に、Love(愛する)Craft(船を)という、漁業を中心とするケープコッドらしい意味も含まれています。

コブの鍛冶屋

Elijah Cobb’s Blacksmith
ケープコッドのクランベリーボグロード

クランベリーボグ・ロード15番地は、イライジャ・コブ氏が営む鍛冶屋です。外壁には依頼が出来る様々な道具が書かれています。Farrier (蹄鉄工) Wheelwright (車輪修理) Farm Implement (農具) Boat Hook (鉤竿) Harpoon (銛) Plow (犂)

イライジャ・コブ氏には、由来というより同姓同名のモデルがいるようです。元々は船長でしたが、引退後は農家として生活していたようです。特に有名な功績があるわけでは無いので、なぜ彼なのか疑問だったのですが、誕生日が独立記念日の7月4日となので、それに因んだ人選なのかなと思います。

メルヴィル埠頭

Melville’s Wharf
ケープコッドのクランベリーボグロード

クランベリーボグ・ロード17番地にあるのは、メルヴィル氏の管理する波止場です。看板には「Coal & Wood(石炭と木材)」と書かれており、船に必要な燃料も販売しています。由来は前回のピーコッドでも紹介した、小説家ハーマン・メルヴィルです。

コッドタウンの住民

Villagers
ケープコッドのBGS

ここからは、番地や通りが書かれていない建物について紹介します。因みに、パークのプロップスには書かれていませんが、ニューヨークの橋を渡った所からカナリーを通ってピーコッドに抜ける道を「ケープコッド・ロード」と言います。「ジャンボリーナイト(2005)」より

グランドバンクス・カナリー

Grand Banks Cannary
ケープコッドのBGS

カナリーとは缶詰工場のことで、ケープコッドの名前の由来でもある、タラの塩漬けや肝油缶を生産しています。タラの肝油は現在でもサプリメントとして飲まれており、ビタミンやDHA、EPAなどの栄養満点です。

ケープコッドには、バスケットやクランベリーなどの様々な名産品がありますが、中でもこのタラの缶詰は国中に輸出されており、この町の重要な産業に成っています。ドックサイドダイナーには、輸入された木箱が置かれています。

ロブスターフィッシング

J.W.Ellis and Sons
ケープコッドのBGS

J.W.エリス夫妻と、その息子達でロブスター漁を営んでいます。また、釣りや漁に使う為の、生き餌やトラップも販売しています。外壁に掛かった木製の物は、罠や網の位置を示すための浮き(ブイ)で、持ち主が分かるように様々な色や形が用意されています。

アルゴンキン・ウーレンズ

Algonquin Woolens
ケープコッドのBGS

ここからは、エレクトリックレールウェイから見える、ケープコッドの裏道を紹介します。ストーリーに直接関わるものは少ないですが、元ネタを知っていると楽しくなる要素が沢山用意されています。

アメリカ先住民の事をアメリカ・インディアン、もしくはネイティブ・アメリカンと呼びます。特にマサチューセッツを含む北東に分布した、言語に共通点のある部族を総称して「アルゴンキン族」と言います。

ウーレンズとは毛織物の事で、ここはその工場になっています。もしかしたらダッフィーの洋服も、この会社が作っているのかも知れませんね。

A.ヘスターの良い靴屋

A.Hester’s Sensible Shoes
ケープコッドのBGS

Sensible Shoes : 履きやすい靴
Single Shoes & Off Sizes Available
片足だけサイズ違いも用意アリ!

もうこれが全てです。私が加筆出来る事が全く無かったので、ツイートを紹介します。

ファイン・ジョブ・プリンティング

Fine Job Printing
ケープコッドのBGS
引用: YouTube

パーソンズ・セイルロフトの二階部分の一室には、印刷や塗装を扱う会社が入っています。ファインジョブとは「良い仕事をする」という意味です。時期によって完全に木で隠れてしまう事もあるのですが、店名の上には「When you think Penobscott, you think of printing」と書かれています。

和訳は「ペノブスコットと聞けば印刷」くらいが丁度良いかなと思います。ペノブスコットと聞いたら私の会社を思い出してね、という宣伝用のキャッチコピーに見えます。「トリバゴ」と同じシステムですね。他に近い文法の詞を見つけましたが、恐らく無関係ということで、今後も元ネタを調査したいと思います。

ペノブスコットとはアルゴンキン語の東アベナキ語族に分類される先住民族です。露骨にBGSに組み込むと、先住民族文化を軽視しているように取られてしまいますが、こうして細かく散りばめている所に制作者達のリスペクトを感じます。

ケープコッドの遺産

Legacies of Cape Cod
ケープコッドのBGS

ケープコッドには、記念碑などのモニュメントが多く設置されています。少し暗い印象を受けるものが多いですが、その意味を知るとよりパークの世界観を楽しめるだけでなく、アメリカの歴史自体にも明るくなることが出来ます。

ハリケーンポイント・ライトハウス

Hurricane Point Lighthouse
ケープコッドのBGS

この海を航海する全ての船に手を差し伸べるように、この光の道標が長く輝き続けますように。「自由の娘達」より寄贈 1909年7月4日

現代でも漁師は命がけですが、天気予報も造船技術も今ほど確実では無かった当時、その生活は常に死と隣り合わせでした。彼らがなんとか航海から戻って来られるよう、海原を照らしています。

レボリューション・キャノン

Revolution Cannon
ケープコッドのBGS

直訳すると「革命の砲台」です。独立戦争によって亡くなった者達を追悼し、称える為に設置されています。なぜそんな大砲がケープコッドに有るのかというと、まさにここマサチューセッツが、アメリカ独立革命のきっかけとなった地だからです。

イギリスは植民地で必要な費用を全て植民地側に負担させる法律を制定します。流石に植民地側も猛反対、約3年でこの法律は廃止されましたが、茶税だけは残りました。その3年後に茶法として改正されますが、これは植民地での茶の取引をイギリス国営企業「東インド会社」に独占させる為のものでした。

この法を受け、1773年、マサチューセッツ・ボストンの急進派「自由の息子達」は港の船に侵入し、茶箱を次々と海中へ投棄しました。この「ボストン茶会事件」の翌年、報復として港の封鎖や更なる締付けが行われ、1775年、遂に武力衝突が起こり、独立戦争へと突入します。

マン・アットザ・ホイール

Man at the Wheel
ケープコッドのBGS

レインコートを着て、嵐の中で舵を取る男の像です。この像は嵐などの海難事故で亡くなった漁師や、船乗り達を悼む為に作られました。「Gloucester Fisherman’s Memorial (グロスターの漁師の慰霊碑)」や「Helmsman Statue (舵取りの像)」の名でも知られています。

コンセプトアート

実は日本にはもう一箇所、この銅像が設置されている有名な場所があります。ユニバーサルの映画「ジョーズ」はケープコッドと同じ、ニューイングランド地方の架空の島「アミティ」を舞台にしています。映画の街を再現したUSJの「アミティ・ビレッジ」では、より本物に近い形の物を見ることが出来ます。

ハイタイド・トリート

High Tide Treats
コンセプトアート

高潮によって地面が削られている形跡があることがある事から、昔からここはハイタイド・テリトリー(高潮の領域)として、村人に知られていました。現在は仮設テントを立てて、チュロスなどのスナックを販売しています。

さいごに

Thank You

最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。次回はさらに詳しく個々の建物について紹介したいなと思います。少しまた期間が空くかと思いますが、気長にお待ち下さい。お楽しみに!

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