イタリアの騙し絵、トロンプ・ルイユ

今回の記事は「夢の通り道」の放送を参考に執筆しております。元々は夢の通り道の内容を最終回まで追うという企画でしたが、冷静に見て700以上の回を全て記事にするのは厳しいということで、記事タイトルや内容を一部変更させて頂きました。

ポルトフィーノ

第五回放送のテーマは、メディテレーニアンハーバーのポルトフィーノ。イタリア、リグーリア州ジェノヴァにある港町、美食とセレブの集まるリゾート地です。色使いや地形がパークとそっくりです。正しくはパークがそっくり、ですけどね!

メディテレーニアンハーバー

この街の建物の外壁を良く見ると、窓や花壇に違和感を感じると思います。窓が開けっ放しだったり、異様に多かったり。実は本物の窓に紛れて、だまし絵の窓が壁面に描かれているのです。こういった、だまし絵の事をフランス語でトロンプ・ルイユと言います。

トロンプ・ルイユ

トロンプ・ルイユが描かれるようになったのには、いくつかの諸説があります。一番有力なのが芸術家や建築家が、自らの腕前を見せつける為に書いたという説です。ですが今回は少し変わった説、窓税についてご紹介します。パークではこちらの理由の方が大事にされている様な気がします。

メディテレーニアンハーバー

窓税とは、もとはイギリスでウィリアム3世時代が1696年に導入したもので、「大きな建物には沢山の窓がある」という前提をもとに考えられた、間接的な累進課税のような物です。お金持ちは大きな家に住んでいますから、意外と名案では?しかし結果は、庶民も皆、窓を塞ぎ始めるという事態に発展しました。

これがイタリアでも施行され、イギリス同様に皆窓や戸をレンガで埋めるようになってしまいました。しかしそこはイタリア人、イギリス人とは美的感覚が違います。そこで目をつけられたのが、トロンプ・ルイユだった訳です。窓のない所には窓の絵を書き、花壇や猫を書き加えるなどして、街の外観を華やかにしたのです。だまし絵はパークファンの中でも有名ですが、埋められた窓もパークにしっかり再現されています。

メディテレーニアンハーバー

因みに窓税と似たものが日本にも存在していたのをご存知でしょうか?江戸時代の京都には「間口税」と言うものがありました。これは間口、家の全面の幅に対して課せられていた税で、これにより建物を奥に細長くする家が増えたとされています。裏道や独特の風情を作り出した、という意味では結果的に良かったですが、土地が絡むあたり、窓税より少しタチが悪いような気もします笑。

さいごに

最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。今回のテーマは個人的に、とても勉強になりました。高校で日本近現代史じゃなくて世界史を取れば良かったなと思いました。それではまた、次の記事でお会いしましょう!

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